【書評】「わたしを離さないで」カズオ・イシグロ著

書評
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どうもこんばんわ。@konimaruです。
先日ふらふらとネットサーフィンをしていた際に、とある小説家の方がテレビに出るということで話題になっていました。その名前を恥ずかしながら知らなかったのですが、その人の名前は「カズオ・イシグロ」。
小説好きな方々の中では勿論かなり有名のようで、その中でも代表作となる本書「わたしを離さないで」を本日読了いたしました。

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いわゆるクローンとして生まれ育ち、将来的には「提供者」として使命を終える。
その運命に対して、疑問を感じる事なく受け入れる子どもたちー。
懐かしいヘールシャムでの日々からコテージでの日々、そして「介護人」として提供者の世話をする日々を、主人公キャスが回想する形で物語は進んでいく。

この物語をひとことで言わせてもらうと、全編を通して「美しい違和感」を持った小説、という言葉が適当か。主人公キャスの視点から描かれた様々な人間模様や細かな感情の揺れ、友人との距離感などが緻密に表現され、独特の違和感を内包した世界が淡々と進んでいく。行間から溢れるキャスの感情が読み進める手を止めることを許さず、終始その”静かな迫力”とも言える世界観に圧倒された全編でした。

amazonの書評欄などを先に見てしまい、先にネタを知ってしまう方も多いかと思いますが、大枠のテーマ自体は、今でこそ珍しいものではありませんが、それを知った上であっても本作は全く影響を受けない、何の問題もない素晴らしい物語だと思います。
私の稚拙な文章ではこの素晴らしさが表現しきれず、悶々といたしますが、こちらも長い人生一度は開いて見ることをおすすめいたします。

 

 

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