企画書・提案書の(私なりの)書き方。

まとめ
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20130611012052

どうもこんばんわ。@konimaruです。

今回はこの仕事をする上で避けては通れない難関である企画書、提案書の作成の私なりの進め方と注意点というか、業界経験も中堅どころになってきたここらで一度まとめてみようと思います。内容は保証できませんがかなりの長文となりますので読まれる方は先にトイレに言っておいた方が良いかと思われます。当然、正解は一つではなく人それぞれかと思いますので、俺はこうするよ、私はこうやってるわよなどがありますと@konimaru宛にリツイートでも返信でもDMでもこのブログにコメントでも反応もらえると嬉しいです。

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私的には企画書、提案書作成と言えば、一言で言うと”自分との戦い”であります。答えの無いものとなりますので、自分がOKという線を決めるまでは未完成のまま。「ほんとにそれでいいのか?」と自問自答を繰り返しブラッシュアップしていくという苦行でございます。いつもその重圧に押しつぶされては息を吹き返しての繰り返しでありますが、しかしほとんどの案件におきましてプレゼンの日まで2週間もあるので余裕をぶちかましていたら気づいたら前日だった、という摩訶不思議な現象にそろそろ名前を誰かつけていただけないでしょうか。

そもそもこんなエントリーを堂々と書きますが、はっきり言って企画書・提案書作成が大得意というわけでもございませんが、今のお仕事で一番辛くて辛くて辛くてでもちょっとだけ楽しいのが提案書作成~プレゼンまでなわけであります。醍醐味というやつです。提案が終われば、あとはドキドキしながらクライアントからの連絡を待つことになり、電話がかかってきて「御社の提案が最も素晴らしかった。御社に是非お願いしたいと思います。」と言われれば天にも昇る気持ちになりもう電話なんてどうでも良くなり、「そうですか、本当にどうもありがとうございました。」と丁寧にお伝えして相手が何か言いかけていてもそれを遮る形で電話を切り初恋の女の子と家庭の事情のお引越しで幼い頃に離れてしまったような淡い想い出とともに心の奥底に封印したくなります。

案件の進行管理が大好物のディレクターさんには大変失礼申し上げますが私としては進行管理フェーズに関してはあまり興味がなくむしろ地獄の始まりといっても過言ではありませんのでプレゼンが終わるともう終わった感満載です。プランナーとディレクターなど分業されているところではこのようなことは無いかと思われますが、こちらの記事でも書かせていただきました通り当社はディレクターが実制作以外のすべてを担う形になりますので、もし仮に背伸びをして、しったかぶった提案でプレゼンに勝利してしまうことになれば否応なしにその責任は二指真空把(北斗の拳)的に自分のおでこに跳ね返って来る事になるわけですね。

 

提案書作成前の準備

●パソコンから一旦離れてみます

パソコンからは脳を麻痺させる電磁波が出ています。嘘です。でもパソコンの前に座って右手はマウス左手はキーボードの上では出るものも出ないです。提案書の骨子がしっかりと決まるまでデジタルネイティブな貴殿もパソコンから離れましょう。(どうしても気になる方は物理的に離れるかそれができなければモニターの電源を切るなどをした方が強制力があってよいです。)

●紙とペンを持ちます

書く=考える、ということを意識します。何も書かないで考えるというのは考えているフリなだけになり、気づいたら何も進まず何時間も経って、俺って今日一日何をしていたのだろう・・・ということで本日はどうもお疲れ様でした状態になります。

そしてアタマで考えたことを、何の障害物もなくアウトプットするのに一番適したものはやはり紙とペン。いや神と天と言ってもいいですこの際。できれば紙もペンもこだわりのものを用意したいところですが、最初は裏紙でも100円ボールペンでもシャーペンでもいいです。私は超絶に書きやすく、このペンを持っただけでアイデアが湧きでてくるような気がするパーカーのボールペンを愛用しております。

アイテム紹介は今後のエントリーのネタとしてここでは紹介いたしませんが、値段がちょうど高くもなく安くもないのでぞんざいに扱っても気になりませんし、かといって存在を忘れてしまって無くす、といった事もない、絶妙な価格設定。このインコースギリギリ低めな感じに感動のあまりパーカーに転職したいです。

●他の何事も忘れ、集中します。

パソコンから離れているのでメールが気になる事はないかと思いますが、全て忘れて集中できる環境が大切です。ドラゴンボール世代の方ならおわかりかと思いますが「精神と時の部屋」に居る感じをズバリイメージしましょう。

 

提案書作成にあたって

●「議事録」を見直します

オリエンテーション後に作成した議事録をしっかりと見直します。ちなみに、これはオリエンテーション・ヒアリング関連のエントリーに任せたいと思いますが、オリエンや打ち合わせなどから戻ってきた際には真っ先に議事録を作成いたします。箇条書きでもいいのでとにかく早く。あとにしよう、明日作成すりゃいいかって考えてたら完全に50%以上そのオツムから消え去りますので絶対的にご注意くださいませ。

●「目的」をしっかりと意識します

ジェットコースターに乗っている最中に露光全開でカメラを撮るくらいブレブレな提案にならないよう、最初にしっかりとその目的を確認、アタマに焼き付けます。ゴール地点も確認せぬまま走り出して気づいた頃にはとりかえしのつかないところまで来てしまっていた・・・という事になれば大いなる時間のロス、偉大なる時間のロスとなってしまいます。どんなに素晴らしいアイデアを思いついたとしてもサイトの目的と合致しないものであればそっとそのアイデアをまたいつかくるであろう提案のため引き出しになおしましょう。

●まず分かっている事実を紙に書きだします

ヒアリングで得た情報やオリエン前に調べた業界の特徴などを、ざっと並べていきます。たとえば、

サイトに訪れるユーザーのキーワードは、商品名での検索が全体の約半数を占めている。残り半分はブランド名など。
業界では老舗
市場規模は下がってきているが、一人あたりが使う金額は年々上昇してきている。
など、まずは何も考えずにわかっている事実だけをすべて紙にざっと書き出します。

●仮説を立て、ゴールまでの論理を組み立てる

上記で洗い出した事実を眺め、繋げて、

仮にこれがこうだとしたらこういうことなんじゃないか?
てことは恐らくこうだからこういう訴求をメインにしたサイトにすべきでは?
というような感じでゴールまでの仮説、大枠の道筋を立てる。そして「仮に」「恐らく」の部分に対して裏付けとなるデータや論理構成を考えて、仮説をより強固なものにする。

「仮説」はかなり奥深いものとなりそれ自体の説明は良書がたくさんありますので是非機会がありましたらご一読いただければと思いますが、超ざっくりとした例といたしまして、

 

例えば

売上を上げたいまんじゅう屋さんのサイトをリニューアルするとしましょう。で、

ページビューや訪問者数は多い。
コンバージョン率は3%程度。
まんじゅうの種類は50種類。
という情報があったとします。

単純過ぎてもうお分かりかと思いますが、この場合の仮説としては、「あれ、この数値…コンバージョン率が業界平均よりも低いんじゃないか?来店客は多いのに…そういえばまんじゅうの種類がかなり多いな…あ!ひょっとしてまんじゅうの種類が多すぎて、うまく選ぶことができていないんじゃないか!?たぶん離脱は商品ページが大半だろう。俺って名探偵!ボボボボーーン!!」なーんて仮説が考えられ、「まてよ、ということは…商品をより選んでもらいやすくすることが必要なんじゃないの?たとえばギフトや自分用などの、目的別や、食べる人数などなどの項目で検索ができるようにし、商品選択の敷居を下げれば今よりも売れるようになるんじゃないかな!ウホ!俺って解決策もすぐに見つけることが出来てスーパーコンサルタントじゃないか!よし会社を辞めて明日から独立だ!課長ボク会社辞めます!」という施策が思いつきます。(これ以外にも色々とあるかと思いますが)

で、当然ながらこの仮説には検証すべき、

コンバージョン率が低いのは確かか(業界内の平均値はどうか、一般的には、など)
商品ページでの離脱率は多いか
実店舗では商品選びを迷われるケースは多いか
などの項目が挙げられます。答えがおおよそ”Yes”となるのであれば上記の仮説は間違いではない、といえます。

●ページネーションを作成する

お次は、考案した仮説をもとに紙面にどのようなページ構成で落としこむか、ざっくりとページのネーションを考えます。ページネーションを考える際には、自分のアタマの中で一連の話の流れを作成してみて、その流れに合わせた構成に仕上げるとやりやすいかと存じます。私はよくプレゼン当日に自分がプレゼンしている姿をイメージし、話す内容がどのような流れであればあの担当者を惹きつけることが出来そうか、ということを妄想しながら組み立てをしております。

●コンセプト・テーマを立てる

このリニューアルで生まれかわるサイトはどんなものになるのか。ひとことで表すと何になるのか、を表現するコンセプトを立案いたします。スマートに、わかりやすく、かつ相手の胸に響くものがより良いコンセプトになります。

●それを反映した画面構成案(ワイヤーフレーム)を作成する

ほんとは提案書が8割型完成してから構成案を作成、という流れでできれば理想なのですがなかなかそんなにスムーズに提案書がスラスラ出来てくれることな少ないかと思われます。なので実際は提案の骨子考案を進めつつ構成案を作成しながら、という同時進行な感じで進めます。早く制作陣営に渡さないとプレゼンまでの日まで日数が少なくてギャーギャーと言われるハメになる可能性をはらんでおりますので大変危険でございます。

●提案書に落としこむ

いよいよこの段階で、全てを提案書に落としこむ作業になります。この段階まで神とペンでございます。ここでようやくPCに向かうことになります。既にこの段階で、全体の流れやページネーションが完成しているので、それを落としこむだけ・・・のはずなのですが、いざ落とし込んでいくと辻褄が合わない箇所が出てきたりすることが多々ありますので覚悟が必要でございます。そして最終、デザインが完成したら、デザイン、インターフェースの説明部分を完成させ、ようやく完成!!となります。

提案書作成のまとめ

いかがでしたでしょうか?冒頭にも書きましたがこれはあくまで私のフローとなりますので全く違う人や、紙やペンを持たず最初からPCに向かってアイデアがバンバン出てくる人もおられるかと思いますが非常に羨ましい限りです。もし俺は、私はこんなフローだ、という人がおられましたら教えていただければ幸いです。

そして最後にまとめとして、提案書作成にあたって気をつけているポイントについて記載したいと思いますが、

●小難しい提案書よりも、シンプルでわかりやすいものを心がける

提案する相手にもよりますが、せっかくの提案書、誰しもできるだけ小難しい提案書を作成して俺カッコいい的なところを見せつけたいと思いますが、経験上往々にしてそんな提案書はスベります。

そもそもプレゼンで相手の態度をどのように変えたいのかというと、その提案内容に対して「共感」をしてもらうということ。小難しいものであればあるほど、共感へのハードルが高くなり採用されにくくなります。先方担当者自身が採用、予算の決定権者ではないならなおさら、担当者が上司にその提案内容を説明しやすいよう、またその提案書が先方社内を独り歩きできるよう、専門用語は必要最小限に、分かりにくいワードを登場させるなら注釈を記載するなどの配慮をしておくべきです。

●他社と差別化できる、「キラー」な内容を用意する

受注案件なら話は別ですが、特にコンペ案件などでは、普通に考えて一番正解だと思われることでも、誰もが予測できる範囲内の提案内容では、コンペ参加の他社と差別化することはできません。クライアントの立場からすると、想定内の提案ではコンペにしている意味もないでしょう。オリジナリティをできる限り意識し、提案における「キラー」な内容を盛り込みましょう。それがグッとくるコンセプトなのか、斬新な画面デザインなのか、はたまた他社では思いつかないようなコンテンツなのか…

●情緒性に訴える要素を必ず入れる。「愛」を提案書にふんだんに盛り込む

いくら論理的な提案書を作ったとしても、必ずどこかに穴はあります。当然ながら未来を予知できない以上、その提案を採用することが絶対的な正解とは言えないからです。また人は何を選択するにあたっても、100%論理的に選択をするということはなく、感情の面が非常に重要となってまいります。提案書内においても、キャッチコピーや、グッとくる言葉・言い回しをふんだんに盛り込んでいきましょう。

●”神は細部に宿る”ということを意識する

私の信念として「神は細部に宿る」という言葉があります。元は建築デザインの業界で言われていた言葉のようなのですが、何事にも共通して言えることかと思います。この提案書においても、提案書自体を、内容に応じた適切なデザインにすること、例えば子ども用品のメーカーならやさしい色使いやフォントを使用するなど。また提案書内の言葉の言い回しなどにおいても非常に気をつけています。

具体的には、私は極力提案書内では、なんだか冷たい言葉なのでという理由からクライアントの”お客様”のことを「ユーザー」や「ターゲット」などといった表現は極力避けるようにしています。そのことをクライアントに指摘されたことはないのですが、”なんとなく”感じてもらっているのかと思います。

 

以上となります。経験豊富なディレクターも、この春にディレクター職についたばかりの新人さんも、何かにお役立ていただければ幸いでございます。

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